平成28年6月2日に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」の中で、保育士の処遇改善についての方針も示されました。その方針の一つとして、「キャリアアップの仕組みを構築し、保育士としての技能・経験を積んだ職員について、現在4万円程度ある全産業の女性労働者との賃金差がなくなるよう、追加的な処遇改善を行う。」とされています。
一般的な会社であれば営業部、人事部などの事業部ごとに部長・課長・係長といったポストがあり、3年後、5年後…と目標とすべきポジションが設定しやすい組織構造になっていますが、保育所(園)等の保育士の役職は、主任保育士と園長しかない場合がほとんどで、ほかの業種に比べると、希望のポジションにつけるチャンスが極めて少ないと言えます。
今回のキャリアパス制度の改善では、目標となる役職(職務)を増やすことで昇進の機会を増やしつつ、保育士としての専門性を高めていくこととを目的としています。
この制度では、一定の勤続年数があり、都道府県等が実施する研修を受講しているなどの一定の条件を満たした人が、園内に新設する役職に就いた場合に最大4万円が月給に上乗せされます。
保育士の待遇改善を目的に、国は段階的に給与のベースアップを行っています。平成31年度では、平成24年度の賃金に対して約11%+最大4万円(役職手当)の上乗せが実施され、結果的に他業種との待遇格差の問題が解決できるというわけです。
北九州市では、保育士のキャリアパスを実現するため、北九州市社会福祉研修所や北九市保育士会が平成30年よりキャリアアップ研修を実施しています。